AIブームは今回が初めてではない?AIの歴史と3度のブームを簡単に解説

ChatGPTの登場によって、AIは一気に身近な存在になりました。

そのため、AIを「最近生まれた新しい技術」だと思っている人もいるかもしれません。

しかし、AIの研究が本格的に始まったのは、今から約70年前の1950年代です。

これまでAIは、何度も大きな期待を集め、そのたびに限界にぶつかってきました。その代表的な流れが、3度のAIブームです。

ChatGPTをはじめとする生成AIの登場によって、AIは一気に身近な存在になりました。

文章を作ったり、画像を生成したり、人と会話するように質問へ答えたりする姿を見ると、AIはここ数年で生まれた新しい技術のように感じるかもしれません。

しかし、AI研究の始まりは1950年代までさかのぼります。

AIは突然現在の姿になったのではなく、何度も大きな期待を集め、そのたびに限界にぶつかりながら進化してきました。

この記事では、AIが現在の生成AIへたどり着くまでの歴史を、3度のAIブームに分けて簡単に振り返ります。

AIの歴史は1950年代から始まった

AIの歴史が本格的に始まったのは、1950年代です。

「人工知能」という言葉は、アメリカの研究者ジョン・マッカーシーによって作られ、1956年に開かれたダートマス会議をきっかけに、新しい研究分野として広がっていきました。

当時から研究者たちは、「人間が行う学習や思考を、機械でも再現できないか」と考えていたのです。

つまり、AIという発想自体は、ChatGPTが登場する約70年も前から存在していました。

第1次AIブーム|コンピューターに考えさせる

1950年代後半〜1960年代

最初のAIブームでは、コンピューターに選択肢を探させる 「探索」と、情報から答えを導く 「推論」の研究が進みました。

できたこと

探索と推論

簡単なゲームや数学の問題を解けるようになりました。

大きな期待

人間のように考える?

コンピューターの可能性に、大きな期待が集まります。

見えてきた限界

複雑な問題に弱い

対応できたのは、条件が明確な問題が中心でした。

ブームの終わり

最初のAIの冬へ

期待が小さくなり、関心や研究資金も減っていきました。

当時のAIは、ルールが決まった問題には強かったものの、 現実の複雑な問題はまだ苦手でした。 コンピューターの性能も今ほど高くなく、次第に 「期待していたほど、何でもできるわけではない」 と分かってきたのです。

第2次AIブーム|専門家の知識を覚えさせる

1980年代〜1990年代前半

第2次AIブームの中心となったのが、 専門家の知識をコンピューターへ登録する 「エキスパートシステム」です。

STEP 01

専門家の知識

医師や技術者が持つ知識と判断基準を集めます。

STEP 02

ルールとして入力

「もしAならB」という形で、人の手で登録します。

STEP 03

条件に合わせて判断

登録された知識を使って、答えの候補を出します。

登録されたルールの例
IF 発熱と咳がある
THEN 病気の候補を表示する
IF 機械から異音がする
THEN 故障箇所を確認する
しかし、問題も……

知識の入力が追いつかない

  • 膨大な知識を人の手で登録する必要がある
  • 経験や感覚はルールにしにくい
  • 登録された範囲の外には対応しにくい

専門家のように判断できる便利な仕組みでしたが、 世の中の知識をすべて人の手で入力するのは現実的ではありませんでした。 期待ほど広く使えず、AIは再び冬の時代を迎えます。

第3次AIブーム|データから学ぶAIへ

2000年代以降

第3次AIブームでは、人が知識を一つずつ入力する方法から、 AIが大量のデータを使って学ぶ 「機械学習」へと大きく変わりました。

DATA 大量のデータ
POWER 計算能力の向上
NETWORK インターネットの普及
MACHINE LEARNING

AIがデータから学ぶ

多くの画像や文章を読み込み、 共通点やパターンを見つけられるようになりました。

画像認識 写真に何が写っているかを見分ける
音声認識 人が話した言葉を聞き取る
翻訳 文章の意味を捉えて別の言語へ変える
第2次AIブーム 人がルールを一つずつ教える
第3次AIブーム AIがデータから共通点を学ぶ

さらに、機械学習の一種である 「ディープラーニング」が発展したことで、 AIができることは大きく広がりました。 現在の生成AIも、こうした技術の積み重ねから生まれています。

ChatGPTの登場は第4次AIブーム?

2022年〜現在

現在は、「第4次AIブーム」の中にある

2022年のChatGPT登場を境に、AIはサービスの裏側で働く技術から、 誰もが直接話しかけ、文章や画像などを生み出せる道具へ 変わりました。

第3次AIブームまで

AIはサービスの裏側で働く

認識 画像や音声を
見分ける
分類 情報を種類ごとに
分ける
予測 データから先を
予測する

人が意識しないところで働いていた

ChatGPT登場後

人がAIへ直接話しかける

この文章をわかりやすくして

わかりました。要点を整理します。

一つのAIで、さまざまなものを生み出せる

文章
画像
音声
プログラム
01 利用者が一気に広がった

専門知識がなくても、普段の言葉でAIを使えるようになりました。

02 使い道が大きく増えた

調べ物や仕事、学習、創作まで、一つのAIを幅広く使えます。

03 人との関わり方が変わった

AIは意識せず使う機能から、会話しながら使う相手になりました。

この記事の結論

技術は第3次の延長でも、社会の変化は新しい段階に入った

生成AIは、機械学習やディープラーニングの積み重ねから 生まれた技術です。しかし、普及の速さ、利用者の広がり、 人とAIの関わり方の変化を考えれば、 現在を「第4次AIブーム」と呼んでも過言ではないでしょう。

※「第4次AIブーム」という呼び方は、まだ完全に統一されていません。 NEDOも、ChatGPTなどの登場でAIブームが新たな段階へ進み、 「第4次AIブーム」の到来と呼ぶ研究者もいる、と説明しています。 NEDOの解説を見る

まとめ|AIは何度も失敗しながら進化した

AIは、期待と停滞を繰り返しながら 少しずつ進歩してきました。

機械学習やディープラーニングによって、 AIがデータから学べる時代になりました。

生成AIの登場により、AIは一部の専門家だけでなく、 誰もが直接使う技術へ変わりつつあります。

現在の生成AIは、突然生まれたものではありません。 長年の研究と失敗の積み重ねの先にあり、 私たちは今、第4次AIブームの中にいる といえるでしょう。