同じ答えが返ることも、
本の候補や言い回しが変わることもありました。
ChatGPTに前と同じ質問をしたのに、別の答えが返ってきた。「さっきの答えは間違いだったの?」と迷うことがあります。
そこで、3種類の質問を、それぞれ新しいチャットで3回ずつ送りました。比べたのは、日本で一番高い山、雨の日の一文、初心者向けの哲学書です。9回答すべてのスクリーンショットを残しました。
この記事では、実際にどこが変わったかを見たうえで、回答の違いを見分ける方法と、欲しい答えに近づける聞き方を説明します。
実験・情報確認日:2026年10月11日
「富士山」「標高3,776メートル」と、同じ一文が返りました。
3回とも、雨音と飲み物を楽しむ場面でした。
同じ本も登場しましたが、3冊の組み合わせは毎回違いました。
今回の試し方と利用条件
同じチャットで質問を繰り返すと、前のやり取りも回答の手がかりになります。今回は、1回ごとに新しいチャットを開き、質問文を変えずに送る方法で比べました。
- 実験日
- 2026年10月11日
- 端末
- パソコン
- ブラウザ
- Chrome
- プラン
- 無料版
- モデル名
- GPT6(本人申告)
- 送り方
- 毎回新しいチャット。同じ質問を各3回、合計9回
実施日・環境・送り方は実験者の申告で確認しています。掲載画面にはモデル名が写っていないため、画面から確認できた情報とは区別しています。メモリ、カスタム指示、検索の設定や、実際に参照された情報は記録していません。
この比較で分かるのは、今回の9回答の違いです
各種類につき質問は1つ、回答は3回分です。すべての事実質問・創作・おすすめに当てはまる傾向や、回答が変わる確率を測った実験ではありません。また、どの要因が今回の変化を生んだかまでは特定していません。
3種類・9回答を比べた結果
文章が同じかどうかだけでなく、中心となる内容、候補、順番、表示形式を見比べました。青い線を付けた箇所に注目すると、共通する答えと、変わった言葉や本の候補を確認できます。
スクリーンショットは、空白を省いて回答部分を掲載しています。横長の画面は左右に動かして読めます。スマホで全文を読めるよう、書き起こしも添えました。
① 日本で一番高い山:3回とも同じ一文
日本で一番高い山は何ですか?一文で答えてください。
1〜3回目に共通する回答の全文
日本で一番高い山は、標高3,776メートルの富士山です。
今回は、結論も数字も言い回しも同じでした。下の青い線は、3回に共通する標高と山の名前です。答えが変わるまで何度も試すことはせず、予定した3回の結果をそのまま残しています。
標高については、編集時に国土地理院の「日本の主な山岳標高一覧」(2026年3月31日版)を確認しました。富士山〈剣ヶ峯〉の記載は3,776メートルで、今回の回答の数字と一致しています。確認した資料(PDF・10ページ)
ここで確認したいのは、「3回とも同じだったこと」と「外部の資料と一致したこと」は別だという点です。回答を繰り返すだけでは、事実の裏付けにはなりません。
② 雨の日の一文:表現は変わっても、発想は共通
雨の日が少し楽しみになる一文を考えてください。
回答の全文
雨音をBGMに、いつもよりゆっくりお気に入りのコーヒーを楽しむ、そんな贅沢な一日にしよう。
回答の全文
雨音を聞きながら温かい飲み物を片手に過ごす時間は、雨の日だけの小さなご褒美。
回答の全文
雨音をBGMに、いつもよりゆっくりお茶を楽しむ——そんな小さなぜいたくができるのも、雨の日のいいところ。
3つの文章は異なります。コーヒー、温かい飲み物、お茶と、登場する言葉も変わりました。一方で、どれも「雨音を聞きながら飲み物を楽しむ」という場面です。
つまり、今回変わったのは主に言い回しで、発想が大きく広がったわけではありません。創作を頼むときは、文章が違うかに加えて、場面や視点まで変わったかを見ると、使える案を選びやすくなります。
雨の日が少し楽しみになる一文を3案考えてください。①室内での過ごし方、②外の景色、③人との時間という、別々の場面で書いてください。
これは使い方の例です。今回、この追加質問の効果を比較する実験は行っていません。
③ 哲学書のおすすめ:3冊の組み合わせと紹介の形が変化
初心者におすすめの哲学書を3冊教えてください。書名・著者名・おすすめ理由(各30字以内)を箇条書きで答えてください。
まず、選ばれた本と紹介順を並べます。『ソフィーの世界』は、3回とも1冊目でした。
下の表は左右に動かして読めます。
| 回 | 1冊目 | 2冊目 | 3冊目 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | ソフィーの世界 | 哲学の教科書 | 暇と退屈の倫理学 |
| 2回目 | ソフィーの世界 | 哲学用語図鑑 | 14歳からの哲学 考えるための教科書 |
| 3回目 | ソフィーの世界 | 哲学の教科書 | これからの「正義」の話をしよう |
延べ9冊の中には、6種類の本がありました。『哲学の教科書』は1回目と3回目に登場し、ほかの候補は入れ替わっています。3冊の組み合わせは、毎回違いました。
画面の青い線は書名です。1冊目は共通し、2・3冊目を見比べると候補の違いが分かります。2回目は「**」が文字として表示された箇所にも線を付けました。書き起こしでは、書名・著者名・理由を読みやすく行に分けています。おすすめ理由はAIの回答であり、実験者が6冊を読んで評価した感想ではありません。
書名・著者名・理由の書き起こし
- 『ソフィーの世界』物語を通じて哲学の歴史を楽しく学べる。
- 『哲学の教科書』哲学的に考えるとは何かを基礎から学べる。
- 『暇と退屈の倫理学』日常の過ごし方から人生の意味を考えられる。
書名・著者名・理由の書き起こし
- 『ソフィーの世界』物語を楽しみながら哲学の歴史を学べる。
- 『哲学用語図鑑』イラストと図解で難しい概念を理解しやすい。
- 『14歳からの哲学 考えるための教科書』身近な疑問から自分で考える習慣が身につく。
書名・著者名・理由の書き起こし
- 『ソフィーの世界』物語を通じて哲学の歴史を学べる。
- 『哲学の教科書』哲学的に考える姿勢を基礎から学べる。
- 『これからの「正義」の話をしよう』身近な問題から正義について考えられる。
同じ『ソフィーの世界』でも、1回目は「楽しく学べる」、2回目は「物語を楽しみながら」、3回目は「物語を通じて」と理由の書き方が変わりました。選ばれる本が共通していても、説明の文章までそろうとは限りません。
表示にも違いがありました。2回目は書名・著者名・理由が別の行に分かれ、画面には「**」も文字として見えました。「箇条書き」と指定しても、見た目が毎回まったく同じになったわけではありません。
本が実在することと、自分に合うことは別です
6冊の書名と著者名の組み合わせは、出版社・国立国会図書館の書誌情報と照合しました。実在を確認できても、「初心者に最適」と確定するわけではありません。物語で学びたいのか、図解で知りたいのか、日常の問いを考えたいのかを決め、目次や試し読みで確かめると選びやすくなります。
照合したページは記事末尾の「本の書名・著者名を確認した資料」にまとめています。
同じ質問でも答えが変わる理由
ChatGPTは、質問に合う文章を、続く言葉を選びながら組み立てます。自然につながる言葉には複数の候補があり、選び方には偶然性も含まれます。OpenAIも、この性質によって同じ質問から異なる回答が出ることがあると説明しています。OpenAIの説明
たとえば「雨の日が少し楽しみになる一文」には、コーヒー、お茶、読書、窓から見える景色など、複数の題材が使えます。同じ目的に合う別の文章が生まれても不思議ではありません。
「初心者向け」など、条件に幅がある
初心者向けの本でも、読みやすい物語、用語を学べる図鑑、自分で考えるための文章と、選び方は一つではありません。何を優先するかが決まっていなければ、別の候補が選ばれる余地があります。
今回の質問では、冊数・項目・理由の長さは指定しました。しかし、読みやすさ、ページ数、学びたい内容の優先順位までは指定していません。この点は、質問文を見直すときの手がかりになります。
会話の流れや、個人向けの設定が違う
同じチャットで「難しい本は苦手」と伝えた後の質問と、その条件を伝えていない質問では、回答の前提が変わります。
新しいチャットでも、設定によってメモリやカスタム指示が回答に関わる場合があります。「別のチャットだから、すべての条件が同じ」とは言い切れません。今回、それらの設定は確認していないため、影響の有無は判断できません。メモリの公式説明
検索する情報や、使われるモデルが違う
ウェブ検索を使った場合は、参照したページや情報の日付も回答の材料になります。ChatGPTは、必要に応じて自動で検索することもあります。検索の公式説明
また、モデルの種類や更新によっても、回答の傾向が変わることがあります。これは一般的な要因の説明です。今回の3回の途中で、モデルや検索の状態が変わったと確認したわけではありません。
答えが違ったとき、どちらを使えばよい?
まず、何が違うのかを分けて見ます。文章が違うだけで、片方を誤りと決める必要はありません。
雨の日の一文のような創作なら、伝えたい雰囲気や使う場面に合う方を選びます。
本のおすすめなら、難しさ・内容・読む目的を比べます。自分の条件を追加して絞ります。
数字、日付、書名と著者などは、公式資料や原文を開いて照合します。
今回のおすすめでは、本の組み合わせは変わりましたが、それだけで「前の回答が間違い」とは言えません。一方、仮に同じ本の著者名が別の人物に変わったなら、書誌情報を確かめる必要があります。
新しい回答や、多数派の回答が正しいとは限りません
同じ誤りが繰り返されることもあります。最後の回答を採用する、3回中2回出た答えを信じる、といった方法だけでは正しさを確認できません。重要な名前・数字・日付は、元の資料まで確かめます。
前の回答では「A」、今回は「B」でした。異なる点を並べ、対象・日付・条件の違いを整理してください。確認が必要な事実には、公式の参照先を付けてください。
AIの説明は、確認する項目を整理する手がかりになります。ただし、「なぜ前回と違ったか」というAI自身の説明だけで、実際の原因や正しさが証明されたわけではありません。示されたリンクも、自分で開いて内容を見ます。
回答の方向をそろえる5つのコツ
毎回同じ文章を保証することはできません。それでも、目的や比較する項目をそろえると、欲しい回答に近づけやすくなります。
以下は公式の質問の指針と今回の観察を踏まえた使い方の例です。これらの工夫で回答のばらつきがどれだけ減るかを測定した実験ではありません。
1.誰が、何のために使うかを書く
「初心者向け」に加え、読み終えて何が分かるようになりたいかを伝えます。
哲学を初めて学びます。哲学者の名前と、考え方の大まかな流れを知りたいです。その目的に合う日本語の本を3冊挙げてください。
2.選ぶ基準に優先順位をつける
読みやすさ、詳しさ、長さなどを、すべて同じ重さで頼まず、最優先する条件を決めます。
読みやすさを最優先し、次に哲学の全体像が分かることを重視してください。専門知識が必要な本は避けてください。
3.項目と、回答の形を決める
冊数や文字数だけでなく、1冊をどのように並べるかまで示すと比較しやすくなります。今回も理由は30字以内に収まりましたが、表示の形には違いがありました。
1冊につき1行、次の形で3冊答えてください。 ・書名/著者名/おすすめ理由(30字以内)
なお、見た目をそろえる指定だけでは、選ばれる本まで固定できません。候補を変えたくないときは、「この3冊について比較してください」と本を先に指定します。
4.比べるときは、会話と条件をそろえる
同じ質問を比べるなら、今回のように毎回新しいチャットを使い、必要な前提を同じ文面で伝えます。モデル名、検索、メモリなども、確認できる範囲で記録します。
日常の修正では、同じチャットで「理由を短くして」「この3冊の難しさを比べて」と続けても構いません。別の回答を比較する場面と、今の回答を直す場面では、使い方が違います。
5.使う候補や元の文章を渡す
本を選び直してほしくないなら候補を、文章の内容を変えてほしくないなら元の文章を示します。毎回ゼロから作らせるより、変える範囲を限定できます。
『ソフィーの世界』『哲学の教科書』『哲学用語図鑑』の3冊だけを比べてください。書名・著者名・内容の違い・向いている読み方を整理し、未確認の情報は未確認と書いてください。
完全に同じ文章を何度も使いたい場合は、確認済みの文章を保存して、そのまま再利用する方法が確実です。
質問の書き方を工夫しても、事実確認は別に必要です。書名・著者名など、確認できる部分は資料と照合してください。
よくある質問
同じ質問なのに答えが違うのは、故障ですか?
回答が変わったことだけでは、故障とは判断できません。同じ質問に対して、別の言い回しや候補が生成されることがあります。まず、表現の違いなのか、事実の食い違いなのかを見ます。
正解が決まっている質問なら、毎回同じ答えですか?
今回の富士山の質問では3回とも同じでした。ただし、この1問だけで、ほかの事実質問も必ず同じになるとは言えません。答えが一致した場合も、重要な情報は資料で確かめます。
何度も質問して、多数決で決めてもよいですか?
創作の案を集めるために複数回聞くことはできます。しかし、事実の正しさを多数決だけで判断するのは避けます。同じ誤りが続くこともあるため、外部の資料で確認します。
新しいチャットなら、前の情報はまったく使われませんか?
新しいチャットでも、設定によってはメモリやカスタム指示が回答に関わる場合があります。比較したいときは、質問文に加えて、それらの設定も確認できる範囲で記録します。
次に使うときは、「何が違ったか」から見る
今回の9回答では、富士山の答えは同じ、雨の日の文章は表現が違い、哲学書は本の組み合わせが変わりました。同じ質問を繰り返したとき、変わる部分も、共通する部分もありました。
回答が変わったときの3つの見方
- 表現の違い:使う場面や好みに合う方を選ぶ。
- 候補の違い:目的と優先する条件を足して比べる。
- 事実の食い違い:公式資料や原文を開いて確かめる。
次に答えが変わったら、まず名前・数字・候補・言い回しのうち、どこが違ったかを一つ見つけてください。そこが、選び直すか、質問を直すか、資料を確認するかの出発点になります。
あわせて読みたい
参考・確認した情報
確認日:2026年10月11日。機能・設定の説明は確認時点の公式情報です。利用できる機能や画面は、プラン・端末・時期によって異なる場合があります。
回答の仕組み・質問の工夫・設定の公式情報
- OpenAI|ChatGPTとモデルの仕組み文章を生成する仕組みと、同じ質問でも回答が変わること。
- OpenAI|よい質問を作るための指針目的・背景・優先する点を具体的に伝える工夫。
- OpenAI|メモリ過去の情報を、後の回答に使う場合があること。
- OpenAI|カスタム指示回答に反映させる指示が、チャットに適用されること。
- OpenAI|ウェブ検索自動検索の場合があることと、情報源を確認する方法。
- OpenAI Developers|モデルの出力と最適化出力が一定とは限らず、モデルの種類や更新でも挙動が変わること。API向け資料を一般的な仕組みの確認に使用。
- OpenAI|回答の正確性と限界重要な情報を、リンク先や信頼できる資料で確かめる必要性。
富士山の標高を確認した資料
- 国土地理院|日本の主な山岳標高(1003山)2026年3月31日版PDFの10ページ、富士山〈剣ヶ峯〉3,776メートルを確認。
本の書名・著者名を確認した資料
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哲学用語図鑑|国立国会図書館サーチ田中正人著、斎藤哲也編集・監修。出版者はプレジデント社。Amazonで見る(広告)プレジデント社・完全版画像・購入先は完全版です。AIの回答では版の指定はありませんでした。

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この照合は書名と著者名の確認です。6冊を読了して、AIのおすすめ理由や初心者への適性を比較検証したものではありません。
