ChatGPTなどの生成AIは、文章作成や情報整理、アイデア出しなど、さまざまな場面で活用できる便利なツールです。
その一方で、こんな疑問を持つ人もいるでしょう。
AIを安全に使うために、難しい専門知識は必要ありません。
この記事では、初心者が押さえておきたい基本ルールと、AIの回答を確認する方法をわかりやすく解説します。
AIを安全に使うための5つの注意点
生成AIを安心して活用するために、初心者が特に意識したい5つの注意点を紹介します。
個人情報や機密情報を入力しない
AIに入力した内容は、自分のパソコンやスマートフォンの中だけで処理されるとは限りません。
インターネット上のAIサービスでは、入力した情報が運営会社のシステムへ送信されます。保存方法やAIの改善に利用されるかどうかは、サービスや設定によって異なります。
⚠ AIへの入力を避けたい情報
- 氏名・住所・電話番号
- パスワードや暗証番号
- クレジットカード情報
- 顧客や知人の個人情報
- 会社の未公開情報
- 契約書や社内資料の全文
仕事の文章を相談したい場合は、会社名や人物名を「A社」「担当者B」のように置き換え、具体的な数字や個人情報を削除する方法があります。
迷ったときは、「他人に見られたら困る情報は入力しない」と考えましょう。
AIの回答をそのまま信じない
AIは、とても自然な文章で間違った情報を答えることがあります。
AIが事実とは異なる情報を、もっともらしく作ってしまう現象は「ハルシネーション」と呼ばれています。
AIでは、次のような間違いが起こることがあります
- 存在しない制度を紹介する
- 間違った数字や日付を答える
- 実在しない本や論文を示す
- 存在しないWebサイトを情報源として挙げる
- 古い情報を現在の情報として説明する
医療・法律・お金・災害・安全に関する情報は、AIの回答だけで判断せず、公的機関や公式サイトを確認しましょう。
AIは「答えを決めてもらう道具」ではなく、情報を整理し、考えるきっかけを作る道具として使うことが大切です。
著作権や利用ルールを確認する
AIが作った文章や画像だからといって、何にでも自由に使えるとは限りません。生成された内容が既存の作品とよく似ている場合、公開や販売の仕方によっては著作権上の問題が生じる可能性があります。
公開・利用する前に確認したいこと
- 特定の作品をそのまま再現させていないか
- 有名なキャラクターやロゴに似ていないか
- 商用利用が認められているサービスか
- 学校や勤務先のAI利用ルールに反していないか
- AIの文章を確認せず、そのまま提出していないか
「商用利用できるサービス」でも、生成されたものがすべて無条件で自由に使えるとは限りません。
文化庁も、AIと著作権に関する考え方やチェックリストを公開しています。 文化庁「AIと著作権について」
サービスの規約やデータ設定を確認する
AIサービスによって、入力したデータの扱いや利用できる範囲は異なります。
利用を始める前に確認したい項目
- 入力した内容は保存されるのか
- AIの改善や学習に利用されるのか
- 履歴を削除できるのか
- 作成した文章や画像を商用利用できるのか
- 勤務先や学校で利用が認められているのか
ChatGPTの場合
「設定」から「データコントロール」を開き、「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにできます。詳しくは OpenAIの公式FAQ で確認できます。
設定を変更しても、個人情報や会社の秘密を自由に入力してよいわけではありません。設定と入力内容の両方に注意しましょう。
重要な判断は人間が行う
AIは判断を助けることはできますが、その結果に責任を持つことはできません。
AIだけに任せないほうがよい判断
- 病気や治療方法を決める
- 契約や法律上の判断をする
- 投資先や大きな買い物を決める
- 採用や人事評価を決める
- 人の安全に関わる行動を決める
AIには、利用者の事情や周囲の状況を完全には理解できない場合があります。選択肢を出してもらったり、考えを整理してもらったりするのは便利ですが、最終的な確認と判断は人間が行いましょう。
AIは判断を任せる存在ではなく、人間の判断を助ける道具です。
経済産業省・総務省の「AI事業者ガイドライン」でも、人間中心の考え方が基本理念の一つとされています。 「AI事業者ガイドライン」概要
AIに入力しやすい情報・避けたい情報
AIの回答が正しいか確認する3つの方法
AIの回答に不安を感じたときは、次の3つを順番に確認してみましょう。
情報源を実際に開く
AIがサイトや資料を紹介した場合は、その情報源が本当に存在するか確認しましょう。
ページを開き、AIの説明と実際の内容が一致しているかまで確認することが大切です。
複数の情報と比較する
AIの回答だけで判断せず、ほかの信頼できる情報とも比べてみましょう。
制度や法律は官公庁、商品情報はメーカーなど、できるだけ公式サイトを優先します。
情報の日付を確認する
制度・料金・サービス内容・製品情報などは、時間とともに変わります。
公開日を確認し、現在も同じ内容なのかを確かめましょう。
公的機関も確認の重要性を示しています
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)も、生成AIの出力には、 もっともらしくても事実ではない内容が含まれる場合があり、 最新の情報を知らない可能性もあると説明しています。 重要な内容は、信頼できる情報源で確認することが大切です。
FINAL CHECK
AIを使う前の簡単チェックリスト
入力前と利用前に、7つの項目を確認してみましょう。
まとめ
AIを安全に使うために、覚えておきたいポイントは次の5つです。
- 個人情報や機密情報を入力しない
- AIの回答をそのまま信じず、情報源や日付を確認する
- 著作権やサービスの利用規約を確認する
- AIだけに重要な判断を任せない
- 公開・提出する前に、自分で内容を読み直す
AIは、必要以上に怖がるものではありません。
注意点を知り、最後に人間が確認することを意識すれば、日常や仕事のさまざまな場面で役立てられます。
AIに判断を任せるのではなく、
人間の考えを助ける道具として、上手に使っていきましょう。
