言葉が画像の手がかりになる。
修正は、変える場所を一つずつ。
「青い帽子の猫」「明るい机を水彩画風に」。言葉から画像を作れるのは、AIが学習した見た目の特徴と、指示の条件を使って出力を作るためです。
代表的な拡散モデルの仕組みを説明し、当サイトのアイキャッチを修正した実際の記録から、指示の出し方と完成後の確認を紹介します。
画像生成AIは、学習した特徴と、文章や参考画像の条件を使って画像を作るAIです。代表例の拡散モデルは、ノイズを減らす処理を繰り返して画像を生成します。
思いどおりに近づけるには、主役・配置・表現・文字・変える箇所を具体的に伝えます。完成後は、文字や形が条件どおりか確認しましょう。
画像生成AIは、検索や編集とどう違う?
画像生成では、主役や構図などの条件を伝え、画像を作ってもらいます。すでにある画像の一部を直したい場合は、元画像を渡して、変更を指定します。
| 作業 | 目的 | 使い方の例 |
|---|---|---|
| 画像検索 | 公開されている画像などを探す。 | 「夕焼けの猫」の写真を検索する。 |
| 画像生成 | 指示を使って画像を作る。 | 「夕焼けの海辺にいる白い猫」を作ってもらう。 |
| 画像編集 | 渡した画像を、変更の指示に沿って直す。 | 猫の帽子だけ青くする、背景を整理する。 |
たとえば「水彩画風の猫を作って」と頼むときと、「この画像の猫の帽子を青くして」と頼むときでは、渡す材料も目的も違います。後者では、残してほしい部分も伝えると、修正の狙いが明確になります。
画像生成・編集の使い方:OpenAI|Image generation。表の例は本記事による整理です。
拡散モデルは、ノイズを減らして画像を作る
拡散モデルは、画像生成の代表的な方式の一つです。学習では、画像にノイズを加え、そのノイズを取り除く方向の処理を学びます。生成では、ランダムなノイズから段階的に画像を作るという考え方を使います。
| 場面 | 主に行うこと | 初心者向けの捉え方 |
|---|---|---|
| 学習の段階 | 画像に加えたノイズを減らす方向を、モデルが学ぶ。 | 乱れた情報から、元の画像へ近づく処理を練習する。 |
| 生成の段階 | ランダムなノイズから、学習した処理で徐々に画像を生成する。 | 学習で得た手がかりを使い、形を整えていく。 |
| 条件付きの生成 | 文章などの条件を、生成する方向の手がかりにする。 | 「白い猫」「水彩画風」などの条件に近づける。 |
「白い猫を水彩画風に」といった文章は、条件付きの生成で、画像をどの方向へ作るかを指定する手がかりになります。ノイズを減らすだけでなく、指示の条件に合う出力を目指すことが、文章から画像を作る場面のポイントです。
潜在拡散モデルでは、画像をより小さな数値の表現に変え、その中で生成の処理を行います。最後に、見える画像へ戻します。画像の全ピクセルを直接扱う方式より、計算を効率化するための考え方です。
拡散モデル:Denoising Diffusion Probabilistic Models。文章の条件付けと潜在表現:High-Resolution Image Synthesis with Latent Diffusion Models。
生成には、自己回帰モデルやGANなど、別の方式もあります。この記事の操作例だけで、利用したサービスの内部方式を特定することはできません。
プロンプトは、画像を作る条件を伝える文章
AIへの指示文は「プロンプト」と呼ばれます。難しい単語を増やすより、完成した画像で何が見えればよいかを伝えるほうが、確認しやすくなります。
| 伝える条件 | 曖昧になりやすい指示 | 具体化した指示の例 |
|---|---|---|
| 目的 | いい感じの画像にして。 | AI初心者向けブログのアイキャッチにする。 |
| 主役・動き | AIの絵にして。 | 人と、人型のAIが読書会の情報を確認している。 |
| 配置 | 見やすくして。 | 左側に文字、右側に人物を配置する。 |
| 表現・色 | おしゃれにして。 | クリーム色の背景、紺と青緑を中心に、シンプルな形にする。 |
| 文字 | タイトルを入れて。 | 入れる文字をそのまま指定し、文字を大きくする。 |
条件を増やしすぎると、完成後の確認もしにくくなります。まずは目的と主役を決め、次に配置や色、文字を足す、という順で整理してみてください。
目的・主役・構図・表現などの指定:OpenAI|Image generation「Write effective image prompts」。表の文章は本記事の例です。
実例:AIの顔から、人型のピクトグラムへ修正した
無料版ChatGPTのメモリを確かめた記事では、アイキャッチを作ったあと、AIの顔、ロボットの表現、人物の形を順に変更しました。
一度で全部を指定するというより、出力を見て、「次はここを変えたい」と対象を具体化していった例です。
| 修正の順序 | 変えた内容 | 具体化した点 |
|---|---|---|
| 最初の画像 | 「ChatGPT、覚えてない?」「無料版でメモリを検証」という文字を入れたアイキャッチを作成。 | 用途と、伝えたい内容を決めた。 |
| 1回目の変更 | 右側のAIの顔を、ChatGPTのアイコンへ変更。 | 変更する位置と、使う印を指定した。 |
| 次の変更 | ロボットをシンプルなピクトグラムへ変更。 | 人物の表現方法を指定した。 |
| 最後の変更 | 人型のピクトグラムにし、丸い頭にChatGPTのアイコンを残した。 | 全体の形と、残す特徴を具体化した。 |

最終版では、人型のAIの頭にChatGPTのアイコンがあり、文字と人物の役割が分かる構成になりました。「AIらしく」から「人型にし、頭にはこのアイコンを残す」へと、見た目の条件を絞ったところが、この修正の具体的なポイントです。
表は変更内容の記録を整理したもので、当時の指示文の逐語引用ではありません。掲載画像は完成版です。各段階の生成時間や使用モデルは記録していないため、速度・モデル間の差は比較していません。
あわせて読みたいこのアイキャッチを使った、無料版メモリの検証記事画像の内容が、記事で伝えたい疑問と結果につながっているかも確認できます。修正は「変える箇所」と「残す箇所」を伝える
「もう少し良くして」だけでは、どの部分を直すべきかが曖昧です。元画像を渡し、対象・変更・保持の3点に分けると、修正後の比較がしやすくなります。
右側のAIを、シンプルな人型ピクトグラムに変更してください。 丸い頭にChatGPTのアイコンを残してください。 左側の文字、背景色、人物のおおまかな配置は保ってください。 小さな画面でも、文字と人物の形が分かるようにしてください。
これは使い方を説明するための依頼例です。当時の実際の送信文ではありません。
- 元画像を渡す新しい画像を作りたいのか、今の画像を編集したいのかを伝えます。
- 次に直す箇所を絞るまず人物の形、次に文字の大きさなど、比較したい変更を決めます。
- 残したい条件も書く文字、配置、背景など、維持する点を明示します。
- 変更されたか見比べる目的の箇所が変わったか、残すはずの部分まで変わっていないかを確認します。
指示で条件を絞っても、意図どおりになる保証はありません。必要に応じて追加の修正を行い、文字や細部は人が確認して仕上げます。
文字・形・数を、使う大きさで確認する
遠目には自然に見えても、画像の中の文字や、細かな形が意図と違う場合があります。まず全体、そのあと気になる部分、最後に掲載サイズという順で見てみましょう。
| 見る場所 | 確認すること | 直すときの考え方 |
|---|---|---|
| 画像内の文字 | 誤字、抜け、余分な文字、小さすぎる文字。 | 正しい文字列と、大きさ・配置を指定する。 |
| 人物や物の形 | 手、関節、輪郭、物のつながり。 | 不自然な箇所を示す。難しい細部は表現を簡略化することも考える。 |
| 数と位置 | 人数、物の個数、左右、重なり。 | 必要な数と、どこに置くかを具体化する。 |
| 使用する大きさ | スマホで文字と主役が分かるか。 | 実際の掲載サイズに近づけて確認し、要素や文字を整理する。 |
今回のアイキャッチでも、人物の形だけでなく、左側の文字が小さな画面で読めるかが重要です。「きれいに見える」だけでなく、読者に伝えたい内容が分かるかを確認します。
生成の仕組みを知ることと、その画像をどう利用できるかは別の確認です。既存の作品・キャラクター・ロゴなどに似ていないか、サービスの条件はどうなっているかを確認してください。
画像生成のよくある疑問
Q. 学習した画像を、検索して切り貼りしているの?
拡散モデルの通常の生成は、保存画像を検索して貼り合わせる処理として説明されるものではありません。ただし、このことだけで、既存の画像や表現に似た出力が出ないと保証できるわけではありません。
Q. 同じ指示なら、同じ画像になる?
同じ文章だけで、毎回同じ画像になるとは限りません。方式や設定、参照画像なども関わります。今回の修正記録も、同じ指示を繰り返した再現性のテストではありません。
Q. 指示は長いほど良い?
長さより、目的・主役・配置・表現などの条件が明確かを確認します。必ず必要な条件と、あとで調整できる条件を分けると、出力を見比べやすくなります。
Q. ChatGPTの内部も、必ず拡散モデルなの?
この記事の操作結果だけから、内部方式は特定できません。拡散モデルは仕組みを学ぶための代表例として紹介しています。使ったモデルが分からない記録を、特定方式の実証として扱わないようにします。
仕組みを知り、変更点を具体化して仕上げよう
- 拡散モデルは代表的な方式。ノイズを減らす処理を使って画像を生成します。
- 指示は、完成後に確認できる条件で書く。主役・配置・文字・表現を具体化します。
- 編集では、変える箇所と残す箇所を分ける。完成後は細部と掲載サイズを確認します。
参考資料・確認した情報
- Hoほか|Denoising Diffusion Probabilistic Models(2020)
拡散過程と、その逆方向の処理による画像生成の原論文。 - Rombachほか|High-Resolution Image Synthesis with Latent Diffusion Models(2022)
潜在表現での生成と、文章などを条件に使う仕組みの原論文。 - OpenAI|Image generation
画像の生成・編集、参考画像、具体的な画像指示の案内。
資料は2026年10月12日に確認しました。仕組みの説明は代表的な研究を簡略化しています。操作例は当サイトの画像修正記録で、内部方式や生成性能を測定したものではありません。
